外為法に基づく報告書の提出

日本に居住しない者が日本にある不動産を購入した場合は、20日以内に、財務大臣に報告書を提出する必要があります。近年、外国人が日本の不動産を購入するケースも増えています。本日は、この報告書の提出について見てみましょう。

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外為法に基づく報告書の提出

目次

1.本邦にある不動産またはこれに関する権利の取得に関する報告書

2.報告が必要な取引または行為

3.報告の期限および提出先

4.非居住者による会社・法人の設立、株式の取得

1.本邦にある不動産またはこれに関する権利の取得に関する報告書

財務大臣への報告書の提出:    

非居住者が本邦にある不動産または賃借権等の不動産に関する権利を取得した場合には、当該非居住者は、「本邦にある不動産またはこれに関する権利の取得に関する報告書」を取得後20日以内に、日本銀行を経由して、財務大臣に提出する必要があります。

この報告書は、いわゆる投資目的で取得した場合に提出する必要があります。

居住者とは?:

日本国内に住所又は居所を有する個人及び日本国内に主たる事務所を有する法人その他の団体(外国法人の日本国内にある支店等を含む。)をいいます。

居住者とは?:

上記居住者以外の個人及び法人その他の団体をいいます。      

2.報告が必要な取引または行為

報告が必要な取引または行為

  • 非居住者が本邦の不動産を取得した場合(相続・遺贈等による取得を含む)
  • 非居住者が本邦の不動産に関する権利(賃借権・地上権・抵当権等)を取得した場合 

なお、以下のいずれかに該当する場合には、提出が不要です。

報告が不要な場合:

  1. 非居住者本人、当該非居住者の親族・使用人・その他の従業員の居住目的で取得したもの(別荘やセカンドハウスのように短期滞在としての利用は報告の提出が必要)
  2. 本邦において非営利目的の業務を行う非居住者が、当該業務遂行の為に取得したもの
  3. 非居住者本人の事務所用として取得したもの
  4. 他の非居住者から取得したもの
’根拠条文’
報告省令第12条

3.報告の期限および提出先

報告の期限

不動産を取得した日から20日以内に報告する必要があります。

  • 20日目にあたる日が休日(日本銀行の営業日以外の日を言います)の場合は、休日の翌日までに提出します。
  • 郵送の場合は20日以内に必着となります。 

提出先

日本銀行を経由して財務大臣に提出する必要があります。

4.非居住者による会社・法人の設立、株式の取得

非居住者による会社・法人の設立、株式の取得

非居住者が日本において株式会社等の会社その他の法人を設立したとき、株式取得や株式譲渡があったときは、外為法の事前届出や事後報告の提出が必要となることがありますのでご留意ください。

5.罰則

外為法では、届出や報告を怠った場合の罰則規定が設けられています。

罰則は違反の内容によって異なります。

例: 5年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する

   6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する、など

’根拠条文’
外為法第9章「罰則」

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