定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集する必要があります(会社法296条1項)。
定時株主総会では、計算書類の承認や株主総会終結時に任期満了となる取締役や監査役の後任の選任決議など、必要な決議が行われます。
また、いわゆる臨時株主総会は、必要があるときはいつでも招集することができます(同2項)。
取締役や監査役の辞任等により、法令や定款で定める役員の員数に足らなくなる場合は、後任を選任する必要が生じます。
では、株主総会において、予め後任者を予選しておくことはできるのでしょうか。

取締役の予選・代表取締役の予選
目次
1.取締役の予選
2.代表取締役の予選
3.補欠役員の予選
1.取締役の予選
在任中の取締役の任期満了後の後任者を、予め株主総会で予選しておくことについては、
・株主構成に変更がない場合や株主の権利に著しい変化がなく、
・予選することについて合理的理由があり、
・予選から就任までの期間が合理的な期間である場合
は有効と解されています。
この、合理的期間がどの程度なのかは、個別の事案ごとに判断されることになると思われますが、おおむね1カ月程度は有効と解されています。
2.代表取締役の予選
代表取締役の予選も、予選を行う取締役のメンバーに変更がなく、合理的な期間である場合は差し支えないとされています(昭41・1・20民事甲271号回答)。
3.補欠役員の予選
では、「補欠」役員の予選についてはどうでしょうか。
役員が欠けた場合、または会社法もしくは定款で定めた員数に足らなくなったときに備えて、補欠の役員を選任することができます(会社法329条3項)。
なお、監査役に関しては、その任期を退任した監査役と同じ任期とするには、定款に、補欠監査役の任期を退任監査役の任期満了時までとする旨の定めがあることが必要(同336条3項)となりますのでご留意ください。
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